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重複逮捕勾留の原則の「一罪」は実体法上の罪数を基準とするか、被疑事実を基準とするかで争いがあり総まとめのテキストでは前者をお勧めしています(僕もこの基準をつかっています)。一方、再逮捕再勾留の原則では基準が被疑事実で処理されているように思います(ex平成28年予備、設問1)。 仮に重複逮捕勾留と再逮捕再勾留、両方の問題が出たら、上記は理論矛盾になるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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「再逮捕」の問題については、「被疑事実の同一性」で判断しますが、ここで問題になっているのは「事実の同一性」です。それに対して、「重複逮捕」の場合は、同じ「被疑事実」に関する問題でも、「事実の単一性」が問題となっており、これは罪数による規制を受けます(通説)。

「重複逮捕」は、主に常習一罪を構成する複数の事実に関して問題になります。「単一の事実」に関しては1回しか身柄拘束ができないのですが、この「単一性」の有無は、「罪数」で判断することになります(+同時処理の可能性)。生の事実としては複数の事実に見えてもそれらの間に「単一性」が肯定されれば(罪数で判断します)、「1個の被疑事実」とみなされるので身柄拘束は1回しかできないことになります(=重複逮捕禁止)。

これに対して、「再逮捕」の場面で問題となる「事実の同一性」は、正に「同一の被疑事実」と言えるかどうか、と言う「事実認定の問題」になります。なお、「常習一罪の再逮捕事例」では、「実体法上一罪か、同時処理は可能だったか」という観点から再逮捕の可否を検討することになりますが、この場合は、再逮捕も重複逮捕も同じ基準(罪数)で処理することになります。

いずれも「被疑事実」を基準に判断していることに変わりはないのですが、事実の同一性(再逮捕)と事実の単一性(重複逮捕)と言う、それぞれ異なる側面に基づく問題なので、判断基準が違っても問題ないのです。 (さらに読む)
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