そんな超初学者の方に向けて、事実分析をする際の思考過程を一つずつ学べる解説動画を公開しました。
題材は、令和4年司法試験・民法の設問1(1)。谷雅文講師が、問題文の事実を一つずつたどりながら、「誰が何をしたのか」「その出来事には、法律上どのような意味があるのか」を確かめながら、結論を導くまでの考え方を解説します。
「司法試験の過去問は、まだ自分には難しそう」と感じる方も、まずはこの一問から。最初から答案を書けなくても大丈夫です。何に注目し、どの順番で考えるのか。講師と一緒に確かめてみませんか。
問題文は、以下の法務省の掲載ページからダウンロードできます。論文式試験の「民事系科目 第1問(民法)」を開き、設問1をご覧ください。今回の動画で扱うのは、設問1のうち(1)です。
事前に一人で解き切る必要はありません。まずは設問1(1)で何を聞かれているかを確認し、問題文を手元に置いて動画をご覧ください。分からない言葉や考え方が出てきたら、その都度止めて確認しながら進めましょう。
問題文には、土地の売買や登記など、さまざまな出来事が書かれています。事実分析では、その一つずつについて、誰がどのような権利を持つことになるのかを確かめていきます。
まず練習したいのは、問題文の事実にどのような法律上の意味があるかを考えること。講師が一文を読んで何に注目し、何を確かめるのかをたどってみましょう。
この事実によって、誰にどのような権利が生じたのか。その後の出来事で、権利は移ったのか。相手の請求を認める理由、拒める理由はあるのか。
一つずつ確かめる過程が、答案に書く「理由」につながっていきます。今回の動画では、その過程を令和の過去問で体験できます。
今回扱う設問では、Cから土地の引渡しを求められたAが、その請求を拒めるかが問われています。
スライドでは、登場人物の関係図を使いながら、事実の積み重なりと法律関係を確認していきます。視聴するときは、特に次の3点に注目してみてください。
出発点は、Aが土地を所有しているという事実です。その後、Bの名義で登記がされますが、そこで立ち止まります。
登記簿に所有者として記載される人が変わったら、本当の所有者も変わるのでしょうか。
本問では、Bが売買契約書を偽造したという事情があります。見た目の変化だけで判断せず、所有権が移る法律上の根拠があるかを確かめる。この読み方が、次の検討の土台になります。
続いて、BがCに土地を売却します。ここでも、売買が行われたという事実から、すぐに結論へ進むわけではありません。
まずは、所有者ではないBから購入したCが、原則としてどのような立場にあるのかを整理する。そのうえで、Cを保護する例外がないかを検討します。
原則を押さえてから、例外を考える。この順番を、具体的な問題の中で確認できます。
検討の中では、民法94条2項が登場します。ただ、条文を思い出しただけで検討が終わるわけではありません。
そのまま適用するための条件はそろっているか。そろっていなければ、条文が設けられた理由を踏まえて、似た場面にも同じ扱いを広げられないか(類推適用)。その判断に関係する事実はどれか。
今回の解説で見ていただきたいのは、こうした結論を支える理由の確かめ方です。知識をどこで、どのように使うのかが見えてくると、解説を読むときの着眼点も変わります。
谷雅文講師の『民法思考プロセス実践講座』は、事案を読み解き、答案にまとめるまでの思考過程を学ぶ講座です。板書・レジュメ・講師作成の答案例を使いながら、複数の問題で考え方を繰り返し確認していきます。
今回のスライドでも、本講座の関連する講義や補講への参照が示されています。「ここがまだ分からない」と感じた部分を、本講座の学習につなげられる構成です。
民法を学び始めたばかりで、問題文の読み方から知りたい方。事実を読んだ後に何を考えるのか、具体的なお手本を見たい方。まずは今回の超初学者向け動画で、事実分析の第一歩を体験してみてください。
本講座は、令和の司法試験・予備試験の過去問にもレジュメで対応しています。講座ページでは、令和7年の問題まで追加教材を掲載しています。
講義で思考過程を学び、令和の問題でも自分で考えてみる。そのうえでレジュメと照らし合わせ、どこまで読み取れたか、どこで検討が抜けたかを振り返る。そんな学習に活用できます。
※追加レジュメの対応範囲と講義動画の収録範囲は異なります。令和の追加レジュメに対応する講義動画が、各年度分そろっているものではありません。年度・設問ごとの教材内容は講座ページをご確認ください。
問題文を前にしたとき、最初の一歩を自分で踏み出せるように。
まずは今回の解説動画で、谷講師が事実をどう読み、結論へつなげていくのかを体験してください。そして、その考え方をほかの問題でも練習したいと感じたら、本講座で民法の論文学習を進めていきましょう。
2026年10月6日 谷雅文
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