予備試験短答式試験、司法試験を受験された皆さま、本当にお疲れさまでした。
試験が終わった直後は、「思ったように解けなかった」「あの科目で崩れてしまった」「もっとやっておけばよかった」と、悔しさや不安が残る時期です。しかし、来年こそ合格を目指すのであれば、試験後の今こそ重要なタイミングです。
大切なのは、悔しさをそのままにするのではなく、次の合格に向けた材料に変えること。今回の試験で何が足りなかったのかを具体的に把握し、基礎を立て直すことが、来年に向けた第一歩になります。
試験後にまずやるべきことは、感情だけで今回の試験を振り返ることではありません。「難しかった」「時間が足りなかった」「思ったよりできなかった」という感覚は自然なものですが、それだけでは来年に向けた具体的な対策にはつながりません。
重要なのは、感情ではなく事実を残すことです。試験直前に本当は何をやりたかったのか。試験中にどの知識が足りないと感じたのか。本番でどの科目、どの設問で崩れたのか。こうしたことを、記憶が残っているうちにできるだけ科目別に書き出しておく必要があります。
「何となくできなかった」で終わらせず、「何が、どう足りなかったのか」まで落とし込む。この作業は、単なる反省ではなく、次の学習計画を立てるための材料集めです。
予備試験短答式試験を受験した方は、まず自己採点を行いましょう。法律基本科目では、8割が一つの目標値になります。実際の得点が7割だった方、科目によって大きく差が出た方もいると思いますが、大切なのは、目標値に対してどこまで近づけていたのかを確認することです。
あわせて、事前に想定していた科目別の目標点と、実際の得点との差も見直す必要があります。「まさかこの科目でここまで崩れるとは思わなかった」という科目がある場合、それを単なる偶然として片付けるべきではありません。
原因を具体的に分析することで、次にやるべきことが見えてきます。
短答で苦戦する人には、「ここは出ない」と決めつけてしまう、暗記の時間を十分に取らない、過去問さえやれば受かると考えてしまう、条文と向き合わない、1点の重みを十分に理解できていない、といった落とし穴があります。
短答式試験では、1点の差が合否を分けます。だからこそ、必要な知識を正確に身につけ、条文・判例・過去問と向き合い、1点に貪欲になる姿勢が求められます。
短答を突破しなければ、論文には進めません。まずは短答で合格ラインを超えるための基礎を固める。そのうえで、論文対策をどう組み込むかを考えることが、来年に向けた現実的な戦略になります。
司法試験を受験した方は、まず短答の自己採点を行いましょう。そのうえで、可能であれば再現答案を作成することをおすすめします。
司法試験が終わった直後は、勉強へのモチベーションを保つことが難しい時期です。合格発表までは、来年も受験するのかどうかが確定しないため、何をすべきか分からなくなる方もいるでしょう。それでも、再現答案はできるだけ早く残しておくべきです。
再現答案は、合格発表までの不安を紛らわせるためのものではありません。結果が思うようにいかなかった場合、来年に向けたリスタートの重要な資料になります。
できれば文章化するのが望ましいですが、難しい場合は詳細なメモでも構いません。問題文を入手したら、自分が答案で引用した事実、条文、文言をマークする。どの事実を拾い、どの事実を拾わなかったのか。その事実に対して、どのような評価をしたのか。仕組み解釈やあてはめ部分をどのように書いたのか。こうした記録は、自分の答案の癖や弱点を確認する手掛かりになります。
試験中に感じた不足は、来年の学習の優先順位になります。「この判例をもっと確認しておけばよかった」「この論点の論証が曖昧だった」「条文を正確に引けなかった」「事実の評価に迷った」といった感覚は、科目別に残しておきましょう。
来年合格を目指すうえで大切なのは、自分の現実の立ち位置を受け入れることです。
自分は今、登山口近くにいるのか。4合目なのか、6合目なのか、8合目なのか。今どの地点にいるのかによって、やるべきことは変わります。だからこそ、まずは自分の立ち位置を冷静に見極める必要があります。
受験歴や勉強歴が長いことは、それだけで合格に近いことを意味するわけではありません。大切なのは、今の自分がどこでつまずいているのか、どの力が足りないのかを正面から見ることです。
悔しさを感じること自体は悪いことではありません。しかし、その悔しさをそのままにしていても、来年の合格にはつながりません。悔しさを分析に変え、分析を学習計画に変え、日々の行動に落とし込むことが必要です。
論文で伸び悩む人に必要なのは、知識を単に増やすことだけではありません。知識を、答案で使える形に変えることです。
重要事項を網羅的に潰していくことは必要です。まずは知識不足への不安を解消しなければ、応用的な問題に向き合うことはできません。基礎なくして応用はありません。
そのうえで、論文では趣旨から考える力が問われます。なぜその制度があるのか。なぜその規範が導かれるのか。なぜその事実を評価すべきなのか。理由を常に考えることが、法的に考えるための基本になります。
判例を学ぶ際にも、単に結論を覚えるだけでは不十分です。判例がどのような場面で、どのような役割を果たすのかを整理し、答案の中で使えるようにしておく必要があります。
「知っている」だけで終わらせず、「答案で使える」状態にすること。それが、論文突破力を高めるための大きなポイントです。
来年合格を目指すなら、年内を一つの重要な期間として考える必要があります。特に予備試験短答で届かなかった方は、年内にどこまで基礎を仕上げ、底上げできるかが大きなポイントになります。
現時点で短答の点数が足りていないのであれば、まずは点を取れる状態にすることが第一です。そのためには、科目ごとに足りない部分を洗い出し、条文・判例・基本知識を着実に積み上げる必要があります。
一方で、論文対策も並行したい場合は、論証の暗記を進めることも有効です。論証を頭に入れておくことは、論文対策であると同時に、短答のインプットにもつながります。
まずは年内に基礎を固める。そのうえで、年末時点の到達度を確認し、次の学習方針を決める。このように段階を区切って考えることが、来年合格への現実的な戦略になります。
来年こそ合格を目指すなら、まずは自分に何が足りなかったのかを明確にすることです。短答の基礎知識が足りないのか。論証が頭に入っていないのか。判例を答案で使えていないのか。事実の評価やあてはめで差がついているのか。問題文を読むスピードや答案作成のスピードに課題があるのか。課題が違えば、やるべき学習も変わります。
BEXAでは、来年に向けて論文突破力を立て直したい方へ「論文リベンジ道場」をご用意しています。試験後に洗い出した課題をもとに、自分に必要な学習を選び、再スタートを切るための選択肢としてご活用ください。
論文リベンジ道場を見る試験後の今は、ただ落ち込む時期ではありません。自分の課題を見つめ直し、来年合格に向けて再スタートを切るタイミングです。
試験後の悔しさや不安は、誰にでもあります。しかし、その感情をそのままにしておくのか、次の合格に向けた材料に変えるのかで、来年に向けた行動は変わります。
予備試験短答式試験を受験した方は、自己採点を行い、法律基本科目8割を目標に、科目別の弱点を分析する。司法試験を受験した方は、再現答案を作成し、試験中に足りないと感じたことを科目別に書き出す。そして、どちらの受験生にも共通して必要なのは、自分の現実の立ち位置を受け入れることです。
来年こそ合格するために、まずは今の自分を正確に見る。そのうえで、基礎を立て直し、知識を答案で使える形に変えていく。
試験後の今こそ、来年合格へのスタートラインです。
2026年7月29日 吉野勲
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