「今から始めて、来年の予備短答に間に合うのか」
これから予備試験・司法試験の学習を始める人にとって、最初にぶつかる不安はここだと思います。
予備試験は、何となく勉強して短期間で受かる試験ではありません。短答式試験を突破しなければ論文式試験には進めませんし、論文式試験では、知識を覚えているだけでなく、それを問題文に合わせて使い、答案に書き切る力まで求められます。
だからこそ、最初に必要なのは「とりあえず勉強を始めること」ではありません。
今から始めるなら、まずどこを目標にするのか。1年目に何をやるべきなのか。逆に、何をやらない方がよいのか。
そこをはっきりさせてから学習を始めることが大切です。
結論として、今から学習を開始するなら、まず狙うべきは2027年7月の予備試験短答式試験合格です。
2027年7月の短答を突破できれば、同年9月の論文式試験を経験できます。そして、その経験を2028年の論文合格につなげていく。
これが、今から始める受験生がまず意識しておきたいロードマップです。
予備試験の学習を始めると、すぐに迷いが出てきます。
短答対策を優先すべきなのか。論文の勉強も早く始めるべきなのか。基本書や演習書も読んだ方がよいのか。そもそも、来年の短答に間に合うのか。
しかし、今から始める受験生が最初に見るべき目標は明確です。
2027年7月の予備試験短答式試験に合格すること。
短答に合格しなければ、論文式試験を受けることはできません。どれだけ論文への意識があっても、短答を突破できなければ、論文試験の本番を経験する機会そのものが得られません。
今から始めれば、いわゆる「記念受験」のような段階を挟まず、来年の短答式試験に必勝態勢で臨むことができます。
まずは、2027年短答合格を本気で取りにいく。
ここが、今から学習を始める受験生にとっての第一目標です。
2027年7月の短答に合格できれば、次は同年9月の論文式試験です。
もちろん、そこでそのまま合格できれば理想です。ただ、今から始める場合、ストレートで論文合格まで到達するのは簡単ではありません。ここは甘く見ない方がよいところです。
それでも、2027年に論文を受けることには大きな意味があります。
論文式試験は、実際に受けてみないと分からないことが多い試験です。時間内に答案を書き切れるのか。どの科目で崩れるのか。知識は足りているのか。問題文の事実を答案に使えているのか。
こうした課題は、本番を経験して初めてはっきり見えてきます。
つまり、2027年の論文受験は、単なる経験ではありません。2028年の合格可能性を高めるための、非常に重要な通過点です。
目標は、2027年論文合格。仮に届かなかったとしても、2028年につながる上位不合格ゾーンに入ることが重要です。
2028年に本気で合格を狙うなら、2027年の時点で合格に近い位置まで到達しておく必要があります。
ここで注意したいのは、2027年短答合格を目指すからといって、1年目の勉強が「短答だけの勉強」になるわけではないということです。
1年目に作るべきなのは、短答にも論文にもつながる基礎体力です。
条文、判例、論点に関する知識を、できる限り穴なく身につける。問題文や判例の事実から、何が問題になりそうかを見抜く。頭の中で分かったつもりになっていることを、答案に書ける言葉にする。
この土台が弱いまま先に進むと、学習が進んだ後に伸び悩みます。
特に初期段階では、「ここは出るのか」「ここまでやる必要があるのか」と自分で判断しすぎないことが大切です。まだ全体像が見えていない段階で、必要な知識と不要な知識を正確に選別することはできません。
ここで楽をしようとして基礎に穴を残すと、数年後にもう一度、基本に戻らざるを得なくなります。
まずは、重要基本事項を網羅的に学ぶ。
遠回りに見えても、ここを丁寧にやることが、結果的に短答合格、そして論文合格への近道になります。
予備試験では、知識そのものが必要です。
ただし、知識を持っているだけでは足りません。
問題文や判例の事実から、何が法的に問題になりそうかを見抜く力が必要です。さらに、頭の中で分かっていることを、答案に書ける形で言語化する力も必要です。
「分かっていたのに書けなかった」は、試験上は「書けなかった」と同じです。
論文式試験では、答案に書かれていないことは評価されません。だからこそ、初期段階から、知識を覚えるだけでなく、自分の言葉で説明できるか、答案で使えるかという意識を持つ必要があります。
判例学習も同じです。
判例は、結論だけを覚えて終わりではありません。大事なのは、その判例をどの場面で、どう使うのかまで理解することです。
どのような事案で問題になる判例なのか。どの論点の中で使うのか。理由付けを答案にどう反映するのか。
そこまで意識して初めて、判例は答案を書くための道具になります。
初学者ほど、不安になると教材を増やしたくなります。
基本書も読んだ方がいいのではないか。演習書も早く始めた方がいいのではないか。別の講座や問題集も足した方がいいのではないか。
しかし、基礎段階で手を広げすぎると、どれも中途半端になりがちです。
1年目は、王道基礎講座テキスト、短文事例問題、短答過去問題、六法を中心に、同じ教材を繰り返し使い込むことが大切です。
新しい教材を増やすより、今ある教材の精度を上げる。
一度読んで終わりではなく、思い出せるか、説明できるか、問題で使えるかという視点で繰り返す。
手を広げる前に、まず手元の教材を使い切る。
ここを徹底することが、1年目の学習では重要です。
短答過去問は、インプットがすべて終わってから始めるものではありません。
学んだ範囲に対応する短答過去問には、初期段階から触れていくべきです。早い段階で問題を見ることで、試験では何が、どのように問われるのかが分かります。
問題を通じて知識の問われ方を知ると、インプットの質も変わります。
ただテキストを読むだけではなく、「ここは短答でこう聞かれるのか」「この条文はこういう形で出るのか」と、試験を意識して学べるようになります。
短文事例問題も、最初から完璧に解こうとする必要はありません。
初期段階では、まず読み物として触れるだけでも意味があります。論文ではどのように論点が現れるのか、どのように答案につながるのかを知ることができるからです。
講義を聞いて分かった。テキストを読んで理解した。
それだけでは、まだ試験本番で使える知識にはなっていません。
必要なのは、理解した内容を記憶し、必要な場面で思い出し、短答の判断や論文答案で使える状態にすることです。
そのためには、暗記の時間を意識的に取る必要があります。
忘れては思い出す。思い出せなければ確認する。この繰り返しによって、短期記憶は少しずつ長期記憶に変わっていきます。
「現場思考で何とかする」という言葉に逃げてはいけません。
知識で処理できる問題は、知識で処理する。覚えるべきことを覚えずに、試験場で考えようとするのは危険です。
もちろん、予備試験・司法試験では思考力も問われます。基礎知識を前提に、問題文の事実を読み取り、法的に考え、それを答案に表現する力は必要です。
だからこそ、思考力は論文対策に入ってから身につけるものではありません。
基礎段階から、「なぜそう考えるのか」「どの場面で使うのか」という考え方を学ぶ必要があります。
知識で処理できる問題は、知識で素早く処理する。考えるべき場面では、基礎知識を使って考える。
この区別ができるようになるためにも、1年目から「理解」「記憶」「思考」を切り離さずに学ぶことが重要です。
六法は何を使えばよいのか、ロープラクティスは必要なのか、過去問はいつから始めるべきか、添削は必要なのか。
こうした初学者が迷いやすいテーマについても、動画本編で確認できます。
一元化、答案作成、写経、基本書と予備校テキストの使い分け、短答と論文の勉強比率、判例学習、論証暗記、あてはめの考え方まで確認したい方は、ぜひ動画本編をご覧ください。
今から始めるなら、最初にやるべきことはシンプルです。
この1年目の積み重ねが、2027年短答合格だけでなく、2028年論文合格の土台になります。
今から学習を始めるなら、まず目指すべきは2027年7月の予備試験短答式試験合格です。
短答に合格できれば、2027年9月の論文式試験を経験できます。その経験を通じて自分の課題を明確にし、2028年の論文合格につなげていくことが重要です。
そのための1年目は、教材を広げる時期ではありません。
王道基礎講座テキスト、短文事例問題、短答過去問題、六法を中心に、重要基本事項を網羅的に学び、理解し、記憶し、答案で使える形にしていくことが大切です。
今から始めるなら、まずは2027年短答合格を本気で狙う。
その1年目の積み重ねが、2028年の論文合格可能性を高めていきます。
2026年6月30日 吉野勲
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